「ポルテ(初代)」のデザイン採点と販売台数予想

written on 2004/8/3


WiLL3兄弟に、ヴェロッサカルディナアルファードと、いつの間にやら珍デザインの宝庫となったトヨタに、またもや新しい仲間が加わりました。

それが、ヴィッツ派生車もついに10台目となる「ポルテ」! 助手席スライドドア(だけ)が売りの、いかにもトヨタらしいニッチカーです。



それにしても、この車のデザイン、一体、何を目指したんだか、まったく分かりません!

カボチャの馬車・ステルス戦闘機・ヘルメット(!?)をテーマしたWiLL3兄弟や、イタリア車になりたいヴェロッサ、スポーティー路線に運命を託したカルディナに、とにかく豪華になりたいアルファードと、今までの珍デザイン車は、目標の設定や目標の達成方法に少々の疑問はありながらも、一応、目指したデザインの方向性ってものがありました。

が、しかし、「ポルテ」に限っては、どんなイメージのデザインにしたかったのかが、まるで理解できないのです。





と言うか、正直、この車、デザインなんてどうでもよかったのでしょうね。便利な助手席側巨大スライドドアがあれば、「ポルテ」の売りとしては、もう充分。デザインにまで凝る必要なんてないよ、という判断がされたとしか思えません。そうでなければ、こんなやる気のないデザインにはならないですよね。

実際、「ポルテ」のサイトでは、デザインについてなんて何にも触れられていないし、ニュースリリースを見ても、「張りがあるさわやかな面質によるシンプルで存在感のあるスタイル」という曖昧な説明がある程度で、デザインを積極的にアピールする姿勢なんて、まったく感じられません。

そうなんです、どうやら「ポルテ」の妙ちくりんでやぼったいデザインは、勢いあまって珍デザインとなっていた先輩達とは異なり、やる気のなさが生み出してしまったもののようなのです。コンセプトが分からないのは、元々そんなものが存在しないからなんだろうし、かわいそうなことに、「ポルテ」はかっこよくなることなんて、これっぽっちも期待されていない車だったのです。



そんな訳で、細かく突っ込もうと思えば、いくらでもネタはあるんですが、コンセプトすらないような「ポルテ」のデザインを、ああだこうだと言っても仕方がありません。

早々に結論を出しちゃうと、かっこいい度は、20点!ってところでしょうね。





とまぁ、これで終わりにしちゃってもいいんだけど、それじゃあ、あんまりなんで、せめて印象ぐらいは書いときましょうか。

んー、そうですねぇ、「ポルテ」のデザインを一言で表現するならば、・・・うーん、何でしょう。



あっ、そうです!あれです!

「ももひき」です!?



機能的なんだろうけども、おっさんぽくて、全然お洒落じゃない「ももひき」。ウエストのゴム部分の縦皺が、「ポルテ」の細かい縦スリットのグリルにも似ている「ももひき」。今ごろ気が付きましたが、もしかすると、「ポルテ」のデザインコンセプトは「ももひき」なのかもしれません!

そうだったのです、「ポルテ」は「ももひき」と同じように、見た目うんぬんじゃなくて、機能第一で選ぶ商品なのです。その場合、スタイリッシュ過ぎて乗るのが気恥ずかしいデザインよりも、このやぼったさが逆に安心感をもたらすに違いありません!

さすがはトヨタ、日本人みんなが「かっこいい」デザインを望んでいる訳ではないんだってことを、こういうデザインの方が照れなく乗れる人がいるんだってことを、ちゃんと分かっていたのです! どうやら、この車を「かっこよさ」で評価しようとした僕が間違っていました。

ということで、得点訂正。

「ポルテ」に求められるデザインを的確に把握していたトヨタのマーケティング力に敬意を表して、一気に1.6倍の32点へと大幅UPさせて頂きます!





さてさて、そんな「ポルテ」の販売予想ですが、いかにニーズにマッチしたデザインだとはいえ、世代交代直前のヴィッツ系プラットフォームを使ってスライドドアだけを売りにした、やぼったい車が大量に売れるとは思えません。トヨタにしたって、月4,000台という、コンパクトカーとしては低めの販売目標を掲げているんだから、大きな期待はしていないのでしょう。

だけど、そうは言っても、トヨタの販売力を侮ってはいけないとの経験から、僕の予想はちょっと多めの月4,200台としておきます!



ところで、これからコンパクトカーにスライドドアの組み合わせって増えるんでしょうかね?

あのプジョーでさえ、1007がかなり際どいデザインになっているように、構造上、背の高さが必要で、サイドボディのデザインにも制約の多いスライドドアは、コンパクトカーのデザインには合わないんじゃないかと思うんですが・・・。

数年後、果たして「ポルテ」が時代の先駆者として名を残しているのか、その頃にはスライドドアを持つコンパクトカーのデザインが見違えるほど良くなっているのか、ちょっとばかし楽しみですね。

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