「デミオ(2代目)」のデザイン採点と販売台数予想

written on 2002/8/10


思わぬヒットで、どん底状態のマツダの経営を支えた「デミオ」が新型になりました。

デザインは、簡単に言うとアテンザの流れを汲んだスポーティー路線。線と面がもう少しシャープな方が新しさがあるのになぁとか、横長のリアランプが馴染んでいないなぁ、などとは思いますが、「デミオ」らしさを残しつつ、スポーツ感を加えた正常進化版と言えるでしょう。

まぁ、最初の感想は「無理にスポーティーにしない方が良かったけど、マツダ車としての統一感を重視したんだろうな」って程度のもの。さして興味を持つようなデザインではありませんでした。




ところが、「デミオ」には非常に魅力的なアイテムが用意されていたのです。

それは、国産車では久しぶりの設定となる「キャンバストップ」!
(WiLL Viにもあったけど、あれはちょっと特殊な車なんで無視しちゃいます)

しかも、ただのキャンバストップじゃありません。何と、「光を通す白いキャンバストップ」なのです!

暑い夏だって、屋根を閉めてエアコンをONにすれば、「やわらかな光が降り注ぎながらも涼しく快適」って、リゾート気分が味わえます。(本当に快適かどうかは未確認ですが・・・)



これは、いいですよ!

「本当に暑くならないのか?」「大雪が積もっても大丈夫か?」「ボディ剛性はどうなんだ?」「上から物が落ちてきたらどうなる?」「キャンバストップの寿命はどれぐらいなんだ?」などなど、考え始めれば不安な要素は山ほどあるけど、そんなものを吹き飛ばしてしまうぐらいの魅力があります。

実は、ハッチバック車にキャンバストップの組み合わせって好きなんですよね。フェスティバ、パンダにトゥインゴなどなど、どれもこれもカジュアルで開放感があって、明るく楽しげな雰囲気が大好きなのです。

そりゃ、開放感を比べればオープンカーには負けるけど、フルオープンで走るには人目に晒されるのを楽しむ度胸が必要です。耐久性を考えたら、ガラスサンルーフやムーンルーフの方が上だろうけど、小さなハッチバック車には高級感がありすぎます。流行りの電動メタルルーフもスタイリッシュすぎて、気軽さに欠けます。

その点、キャンバストップの程よい開放感や、肩肘張らない適度なお洒落さって、心地いいと思うのです。




大体、キャンバストップって、つまりは「布」。「布」から連想するスピード感は、速さよりも、ゆったりってイメージ。「布」の質感には、なめらかでツヤツヤしたメタリック塗装よりも、色褪せかけたソリッドカラーの方が似合います。「布」の感触に近いのは、パネルの継ぎ目の狭い高品質なボディじゃなくて、隙間が広めで、ざっくりした感じのボディでしょう。

そんな「布」の屋根にふさわしいのは、実用的なハッチバックボディで、スポーティーでも高級でもないけれど、ちょっとお洒落って感じのカジュアルな車。それもピカピカに輝く新車よりも、しっかりと使い込んだ状態の方が、より好印象。そんな気取らない車で、光と風を感じながらのんびりと走るのが、一番しっくりくるんじゃないかと思うのです。



・・・と、ここで突然、「あれっ」と疑問が沸いてきてしまいました。

今度の「デミオ」の売りは、スポーティーで高品質なこと。

でも、これって、僕の考えるキャンバストップが似合う車の条件とは、まるで正反対。こういう車には、ガラスサンルーフやAクラスのラメラールーフみたいな屋根の方が似合うんじゃないだろうか・・・。




普通のキャンバストップと比べれば、光を通して白い分だけ、お洒落ではあるけれど、それはスタイリッシュというよりは、癒し系のお洒落さ。

そう思うと、高品質なボディはまだしも、スポーティーな顔つきに、カジュアルなキャンバストップという組み合わせに違和感を覚えるようになってしまったのです。



このキャンバストップ、実は初代「デミオ」にこそ採用するべきだったのではないでしょうか。初代であれば、車とトップとのカジュアルさのバランスが取れて、かつてのフェスティバの再来となっていたはずです。

ところが、新型「デミオ」は、最新のマツダデザイン路線に沿ってカジュアルさとは違う方向に進化した結果、キャンバストップには不釣合いな車になってしまったのです。

まぁ、メーカーとして、デザインアイデンティティを統一するのも大切なことだけど、キャンバストップの採用が分かっていたなら、「デミオ」にはスピード感よりも、のんびりとしたリラックス感のあるデザインを与えて欲しかったなぁと思うのです。

そして、その方が、中途半端なスピード感を演出するよりも、より「デミオ」らしさを引き伸ばせたんじゃないかなとも思うのです。



で、かっこいい度ですが、キャンバストップは100点満点!なんだけど、「デミオ」自体は、50点!ってところでしょう。



さて、目標販売台数は月7,000台ですが、僕は月6,000台と予想しておきます。

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